慢性疲労症候群(CFS)入門

慢性疲労症候群 & 線維筋痛症とうまくつきあう方法

出典:Managing Chronic Fatigue Syndrome and Fibromyalgia: 2010 edition
on CFIDS & FIBROMYALGIA Self-Help

第12章 旅行や特別な行事

あなたがCFSやFMにかかっているならば、いつもと違うこと――バカンス、祝日のお祝い、あるいは夕食に人を招待することでさえ――は二重の難題を生み出します。非ルーチン(いつもの手順でない)の行事は普段の日常生活より多くのエネルギーを必要とします。そのため、これらの行事では、あなたの症状が悪化し、あなたはエネルギーエンベロープ(疾患が一人ひとりに課したエネルギーの制限)の外に引っ張り出されます。それに加えて、いつもよりもっと活動したい、あるいは他の人たちがあなたにさらに活動するように圧力をかけていると、あなたは感じるかもしれません。これはぶり返しの第二の潜在的原因です。

あなたは、特別な行事を楽しみたいという願望と体の制限とのバランスをどのようにして取りますか? 以下に四つの戦略、サクセスストーリー、そして計画ツールがあります。

行事の前・最中・あとに臨時休息を取る

おそらく、特別な行事を成功させるために最も広く使われる戦略は、行事の前、最中、あとに、いつもより多くの休息(臨時休息)を取ることでしょう。行事の前に臨時休息を取ってエネルギーを蓄えてください。行事の最中にも臨時休息を取って症状を制限してください。そして、行事のあとは必要とされるどのような臨時休息でも十分取ってください。臨時休息の量は決まっていませんが、いつもの2倍の量が標準的でしょう。

我々のグループの一人の女性が例を挙げました。彼女は1週間のバカンスに行くつもりならば、2週間の計画を立てます。彼女は必ず旅行の数日前と数日後に、いかなる余計な活動も引き受けないようにします。また、彼女は必ず、非活動の時間に休息して、旅行の間は慎重に自分のペースで行動するようにします。戻ったあとは臨時休息を取り続けます。

もう一人が同じような戦略を報告しました。「かなり長い時間かかりましたけれども、私は旅行と車の運転が長く尾を引くことにようやく気づきました。私は旅行の1週間くらい前から毎日の休息時間を通常の2倍にします。バカンスの最中にも休息時間をいつもより多く取り、戻ったあとも数日間それを続けます。また、2時間ごとに車を停車し、シートを後ろに傾けて12、3分くらい眠ることで、私は車の運転の影響を減らすことにも成功しました」

詳細に計画を立てる

もう一つの戦略は、特別な行事を極めて詳細に計画することです。旅行することが決まっているならば、旅行の毎日の活動の計画を立てます。例えば、あなたのエネルギーレベルが期待どおりではない場合を想定して、代わりの活動の計画も立てます。病状の程度によっては、車椅子あるいは空港に備え付けの電動カートを手配します。家族の一大イベントに行くことが決まっているならば、前もってそのスケジュールを聞いて、自分がどれくらい活動するか決めます。

我々のプログラムの一人の女性は、計画を立てることで旅行中に制限内にとどまることができたと、その様子を説明しました。彼女は言います。「安全な活動レベルの範囲内にとどまれ、と自分自身に言い聞かせることは、旅行の間、やり過ぎる誘惑に抵抗するのに役立ちました。私は自分自身に言い聞かせることができます。『私がこれをやりたいこと、周りが自分に圧力をかけていることを知っているけれども、これは来る前に、私のエンベロープに入りきらないと決定したことです』と」

自分の計画を他の人たちと話し合う

3番目の戦略は、あなたの制限について、行事に参加する他の人たちと話し合うことです。自分の参加レベルを決めたあと、あなたは自分の計画を、行事に参加する他の人たちと話し合ってください。そうすれば他の人たちも、どんなことが自分たちに期待されているのか分かるでしょう。また、あなたが幾つかの行事をキャンセルする必要があるかもしれないということについて、他の人たちに警告しておくのもよいでしょう。そしてあなたが臨時休息を取る必要があるときは、他の人たちに、あなたなしで物事を進めてもらうように頼むのもよいでしょう。事前に、あなたの制限についてと、あなたの症状が予測できないことについてを、他の人たちと話し合っておけば、あなたは失望の可能性を低くすることと、柔軟な雰囲気を醸し出すことができます。

役割を変える

特別な行事を楽しむ代償を最小限にするもう一つの戦略は、あなたの役割と関与水準を変えることです。作業を他の人たちへ引き継ぐこともまた、旅行や特別な行事を楽しむ一つの方法です。例えば、あなたが、祝日のお祝いのすべての料理をいつもしていたのならば、家族に一人ひとり料理を持って来るように頼んでください。また、あなたが行事に出掛けるときは、1日中ではなく2時間にするか、あるいは定期的に休憩時間を取るようにしてください。旅行は、以前ほど積極的に行動しないで、臨時休息を取ることで、より実行可能になるはずです。

活動に対するこれらの適応は、以前より低い活動レベルを受け入れることと、自分は何ができるのか認識することに基づきます。一人が言ったように、「私は何もできないより半分できればいいという考えから利益を得ています……たとえ病気になる前していたことをすべてできなくても、妥協すれば、私は時々エネルギーエンベロープの外に少し出ることが可能になりました。そのため、私はいくらか症状を増やしましたが、それでも症状の突然の悪化は起きていません」。

特別な行事のサクセスストーリー

我々のプログラムの一人で、寝たきりの女性が、娘と7歳になる孫娘の10日間の訪問に対処するために、上記の戦略の幾つかを使いました。この女性はCFSに加えて他の病状を持つ重度の患者で、過去の訪問で大きなぶり返しを引き起こしていたため、何か別のことを試そうと計画しました。彼女は訪問に先立って、いつもの活動を減らし、臨時休息の時間を使い、訪問の準備をしました。また、彼女は、娘たちとつきあう日と穏やかな休息の日を交互にする計画を立て、娘にその計画を説明し、娘はそれを受け入れました。彼女は1日おきに孫娘と一緒に時間を過ごしましたが、穏やかな休息の日を取ることによって、彼女は圧倒されませんでした。娘たちが去ったあと、彼女は2日間休息して過ごしました。

彼女は勝利の気分とともに、この訪問を振り返ります。この訪問は、ぶり返しを数カ月引き起こした過去の経験を繰り返すどころか、計画を立てたこの訪問は、ペーシングによるコントロールの体験でした。彼女は孫娘と過ごした時間について書きました。「私は、CFS/FMになってから、孫娘の訪問を一度も生き抜いたためしがありません。私がダメージを受けることなく、私達が一緒に特別な思い出を作ることができたことに、とても感激しています」

特別な行事のワークシート

ルーチンになっていない行事を成功させるのに役立つ、「特別な行事のワークシート(Special Event Worksheet)」があります。特別な行事の最中のあなたの時間をどのように使うか、また、行事までの期間と、行事のあとの時間にとる行動をどのようにするか計画を立てるために使ってください。下の例は、家族旅行のワークシートがどのように記述されるか示したものです(未記入の用紙を見たり、印刷したりするには、 Logs, Forms and Worksheets のページを見てください)。

Special Event Worksheet

行事:家族旅行

行事の前:
旅行前1週間は1日の休息時間を通常の2倍にする
旅行前1週間は特別な行事はなし(例えば、夜の外出)
旅行中の活動の制限を決める(例えば、1日に4時間)
制限について家族と話し合う

行事の最中:
車の運転は2時間ごとに10-15分間休息する
1日の休息時間を通常の2倍にする;症状が強ければもっと休息を取る
1日の活動時間は最高4時間

行事のあと:
帰宅後1週間は1日の休息時間を通常の2倍にする
1週間は特別な行事はなし

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第11章 一貫性を実現する  CFS & FMとうまくつきあう方法
目次
 第13章 ぶり返しを最小限に抑える

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