慢性疲労症候群(CFS)入門

慢性疲労症候群 & 線維筋痛症とうまくつきあう方法

出典:Managing Chronic Fatigue Syndrome and Fibromyalgia: 2010 edition
on CFIDS & FIBROMYALGIA Self-Help

第17章 栄養摂取と化学物質過敏症

活動の議論の最後に、我々はCFSと線維筋痛症の人々がしばしば直面する二つの問題に移ります。適切な栄養摂取と、化学物質過敏症の問題です。

栄養摂取

CFSと線維筋痛症の人々は、適切な栄養を摂取するのに幾つかの難題に直面します。第一に、エネルギーが不足しているか、食欲がないか、あるいは症状が重いため、一部の人々は十分な時間をかけておいしい食事を作ることが困難です。以下に、いくつか解決策があります。

第二に、CFSとFMのほとんどの人々はアルコール不耐性があり、多くの人々がカフェインや他の興奮剤、甘味料(砂糖、コーンシロップ、果糖、アスパルテーム、サッカリンなど)、食品添加物(MSG、防腐剤、人工着色料と人工香味料など)、タバコに敏感です。これらの量を減らすか、あるいはこれらの物質を取り除けば、症状が軽減され、気分の変動が小さくなり、さらに睡眠が改善されるかもしれません。

第三に、CFSと線維筋痛症の患者の約3分の1は食物に過敏反応を示すか、あるいは食物アレルギーがあるか、もしくは栄養吸収が困難です。拒否反応として、胃腸症状(胸やけ、ガス、吐き気、下痢、便秘など)、頭痛、筋肉痛、脈拍変化、疲労などがあります。

残念ながら、影響を受けやすいCFSとFMの患者が過敏に反応する共通の食品が全くありません。乳製品にひどく反応する者もいれば、小麦を避けなくてはならない者もいます。食物アレルギーの幾つか共通の原因食物には、乳製品、卵、大豆、小麦、そしてトウモロコシがあります。他の原因食物として、トマト、ジャガイモ、ナス科の他の種類、果実、スパイシーフード、さらにタマネギ、キャベツ、ブロッコリなどのガスを作り出す野菜、生の食品、ナッツがあります。

食物過敏反応と食物アレルギーに対して二つの主要な療法があります。回避食(avoidance diet)と循環食(rotation diet)です。この二つの療法の最初の一歩は同じです。アレルギー反応の誘因となる食物を突き止めることです。これをするには、問題を引き起こす可能性があると思う食物をリストにして、日常食からそれらを取り除き、そして次に一つずつそれらを再導入します。反応が現れるのに1日から数日かかることがあるので、どんな食物を食べたかと、症状が出たかどうかを数日間記録する必要があるでしょう。

食物を食べて、下痢、吐き気、頭痛、あるいはじんま疹といった強い反応が現れるならば、おそらく、それらを日常食から完全に取り除かなければならないでしょう。しばしば、ほんの2、3種類の食物を取り除いただけで、症状が劇的に改善することがあります。また、ほんのたまに食べる食物ならば、耐性があると分かる可能性もあります。この場合、食物を食べたら、再びそれを食べるまでに4日間から7日間待ちます。

CFSと線維筋痛症の他の多くの問題と同じように、食物への反応は個人差が大きいので、画一的な標準の「CFS用食」あるいは「線維筋痛症用食」が全くありません。以下に五つの一般的ガイドライン(指針)があります。

1. 試行する。CFSとFMの患者のおよそ3分の2は食物アレルギーがなく、バランスのとれた食事を手に入れること、アルコールやタバコのような物質を避けることに焦点を合わせることができます。残りの患者は、過敏な食物を見付けることに取り組まなければならないでしょう。食物への反応は一人ひとり違うので、この3分の1の人々は反応を作り出す食物を特定するために試行をしなければなりません。次に、その食物を日常食から減らすべきか、あるいは取り除くべきか決定するために試行しなければなりません。

2. 自分の体の声を聞く。食物あるいは物質をとって気分が悪くなったならば、それを食べないでください。過敏反応は人によって大きく変わります。あなたが果実や野菜のような「おいしい食べ物」に耐性がない可能性もあります。

3. 賢く食べる。過敏反応が出ない範囲で、バランスの取れた食事をしてください。すべての成人に一般的に推奨される標準食を食べることより、気まぐれなダイエットをすることのほうがもっと危険です。標準食は、適度な脂肪と、異なる食品群のさまざまな食物とを含み、果実、野菜、全粒粉に焦点を合わせています。

4. 一部の食物・物質を避ける。CFSとFMのほとんどの人々は、アルコール、コーヒー・紅茶に含まれるカフェインのような興奮剤を受けつけません。また、多くの人々が甘味料と食品添加物に過敏です。二つの疾患を持つほとんどの人々が、これらの製品を取り除くか、あるいは減らすことは理にかなっています。

5. 別の原因を考える。多くのCFSとFMの患者は次の疾患があります。過敏性腸症候群(IBS)、カンジダ菌感染のようなイースト菌感染症、小麦や他の穀物への強いアレルギー反応を起こすセリアック病、乳糖を消化できない乳糖不耐症。食物過敏反応の一部あるいはすべてが、これらの他の疾患によって起こる可能性を考慮してください。

化学物質過敏症

CFSとFMのかなりの数の人々が、食物のほかに他の物質へのアレルギー反応があります。反応の範囲は軽いイライラから重大な脅威まで、患者の間でかなり差があります。この範囲の末端の人たちは、過敏反応のために外出できない可能性があります。

カビ・チリダニ・草に対する過敏反応はよくあります。また、香水、香水入りの製品、タバコの煙、家庭用薬品、車の排気ガスとディーゼルガス、接着剤、インク、そして染料にも患者は反応します。症状には頭痛、めまい、気を失いそうな感じ、そして吐き気などがあります。(多くの患者が化学的に敏感なので、ほとんどのCFSとFMの支援グループは、来る人々に「無香料」で来るように頼みます)

最も役に立つ対処戦略は回避です。これは、家から原因物質を取り除くこと、そして外出中に原因物質に触れる危険を抑えることです。自分が化学的に敏感であるかもしれないと思うならば、キッチン・浴室・洗濯場の製品、例えば、クリーナー、石けん、洗剤、殺虫剤、そしてパーソナルケア製品(デオドラント、シャンプー、ねり歯みがき、ローションと香水)などをチェックしてください。より詳細については、 Erica Verrillo と Lauren Gellman の共著 Chronic Fatigue Syndrome: A Treatment Guide (「慢性疲労症候群:治療ガイド」)の第8章と第9章を見てください。また Fred Friedberg の著書 Coping with Chronic Fatigue Syndrome (「慢性疲労症候群に立ち向かう」)の中の健全な環境の設計についての議論を見てください。

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第16章 運動  CFS & FMとうまくつきあう方法
目次
 第18章 ストレスをコントロールする

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