慢性疲労症候群(CFS)入門

慢性疲労症候群 & 線維筋痛症とうまくつきあう方法

出典:Managing Chronic Fatigue Syndrome and Fibromyalgia: 2010 edition
on CFIDS & FIBROMYALGIA Self-Help

第19章 感情に対処する

悲しみ、心配、フラストレーション、そして罪悪感といった感情は、長期にわたる疾患でよく見られる無理からぬ反応です。これらは疾患によってもたらされたさまざまな変化、制限、そして将来や現状に対する不安への反応です。これらの感情は長期にわたる疾患でよく見られ、とても激しいので、感情は一人ひとりの自主管理プランでコントロールするべきです。

自主管理プランに感情コントロールを加える二つの理由があります。第一に、CFSと線維筋痛症は情緒反応を以前より強くし、そしてコントロールしづらくする傾向があります。専門用語で「情緒不安定な(labile)」と言います。病気になると以前より、泣くようになるか、すぐ気が動転するか、あるいは突然激しく怒ることが多くなると言います。我々のプログラムの一人の学生が書きました。「CFS のせいで感情が高められてしまうということを認識するだけで、本当に助かりました。それを知る前は、なぜ私はささいなことで気が動転するのか、すっかり困惑しました」

第二に、病気でいることで生み出される感情は悪循環を作り出します。例えば、絶え間ない痛みがあれば、将来についての心配を引き起こします。そして心配は筋肉の緊張を引き起こし、今度は、痛みを強くします。しかし、幾つかの方法でこの悪循環を断ち切ることができます。例えば、筋肉の緊張を和らげるためにリラクセーションを使ったり、心配を減らすために自分の「心の中のつぶやき」を変えたりします。

感情が症状を強めるプロセス(過程)は、肯定的な感情でさえ起こります。我々のプログラムの一人がコメントしました。「私は自分を理解してくれる人々と付き合えて大変うれしかったので、クラスの一つで泣きました。そうしたら、ほぼ同時に、頭にかかったもやに襲われました」。アドレナリンの生成を引き起こすいかなる経験も、感情を強め、そしてしばしば症状を悪化させます。

長期にわたる疾患のその他の問題と同じように、感情は管理できます。これまでの章で述べてきたいくつかの戦略が、CFSとFMが引き起こすさまざまな感情を管理するのに役に立つかもしれません。例えば、リラクセーション療法を用いれば、症状と感情が互いを強くし合うフィードバック効果をショートさせることができます。また、「認知療法」を用いて自分の考えを変えることも一助となります。認知療法は、不安や憂鬱な気分を治療するのに特に効果的であると証明されています。一般的な取り組み方としては、強い感情を引き起こす数々の状況(または人々)を突き止め、前もって対応戦略を計画します。多くの場合、ストレスの多い状況を避けるか、あるいは最小限にすれば、感情を和らげることができます。

自助対策に加えて、感情の管理には専門家の助けを含めることができます。憂鬱な気分あるいは不安のような感情は、脳内の化学成分の変化によって引き起こされ、強められるので、それぞれ抗鬱薬あるいは抗不安薬を使って治すことができるかもしれません。また、カウンセリングが役に立つこともあります。疾患が引き起す問題についてセラピストと話し合うことは「すべては頭の中の現象である」ということではありません。カウンセリングはどちらかといえば、困難な状況にうまく対処するための支援を提供してくれます。この支援には、例えば、サポート、対処戦略の提案、あなたの置かれた状況に関する見通しがあります。カウンセラーと話し合うことが役立つかもしれないと考えるならば、長期にわたる疾患の患者の治療を専門にする人を探し出してください。

抑鬱

抑鬱はCFSと線維筋痛症の人々に非常によく見られます。これは、疾患が引き起こしたふつうの生活の中断と、将来や現状に対する不安だけでなく、ずっと続く症状の影響を考えれば驚くべきことではありません。抑鬱は、無力感、恐れ・フラストレーション・不安、喪失、あるいは将来への不安によって引き起こされます。抑鬱の徴候として、不愉快かあるいは悲しい気持ち、友人あるいは活動への無関心、孤立感、自殺願望、そして自尊心の喪失があります。重症の抑鬱、長期の抑鬱、あるいは自殺願望があれば、それぞれ医師、セラピスト、あるいは自殺防止サービスにすぐに助けを求めます。

CFSと線維筋痛症に関係する二つのタイプの抑鬱があります。一つは状況性抑鬱と呼ばれるタイプで、特殊な状況に対する反応として起こる抑鬱です。この場合、長期にわたる疾患で生活が一変したことで起こります。このタイプの抑鬱にはふつう、下のような自主管理戦略が役立ちます。

また、抑鬱は、脳の機能の変化によっても引き起こされるので、生化学的でもあります。長期に及ぶストレスは我々の生化学を変え、抑鬱を引き起こします。自主管理戦略はこのタイプの抑鬱にも役立つかもしれません。しかし通常は、治療に薬を用います。

誰にも、不幸あるいは悲しいと感じるときがあります。我々は、このような感情が時折起こる可能性があることを認め、そしてどのように対応すべきか計画できます。(囲みの中に、ある女性が、憂鬱なときに前向きに対応するのに、どのように計画を使うかについての記事があります)。以下に、抑鬱と闘うために考慮すべき12の戦略があります。

1. 助けを呼ぶ。あなたがひどい鬱状態で自殺願望があるか、あるいはしばらくの間ずっと鬱状態であったのならば、すぐに助けを呼んでください。自殺予防センターに電話するか、主治医と話すか、精神科医に会うか、あるいは友人に電話してください。急を要しない状況でも、抑鬱が通常の日常生活を送る能力を低下させているならば、専門家の助けを考慮すべきです。専門家の助けは、カウンセリング、あるいは薬、もしくはその両方です。セラピストは、あなたの置かれた状況の外観を提供し、あなたが疾患を受け入れるのを手伝い、あなたが改善しようと努力するのを支援できます。疾患のせいで家族間に緊張があるならば、夫婦あるいは家族のカウンセリングが役立つこともあります。

2. 活動的になる。抑鬱は、絶望感と、自己達成的予言になる考え方を醸し出します。以下にリストした役に立つ可能性が十分にある措置を講じて、これらの感情を打ち消してください。活動的であれば気分が変わります。また、成功すれば期待が高まります。

3. 良い習慣を身につける。あなたの気持ちがどうであれ、日課を守ることで、抑鬱を打ち消すことができます。毎日する活動は疾患の重さによって決まり、例えば、服を着る、ベッドを整える、食事を作る、散歩をする、好きなテレビ番組を観るなどのようなことが挙げられます。たとえあなたがやりたくなくても、無理やり行動して抑鬱の無気力を打ち消します。

4. 運動する。運動は自然の抗鬱薬です。運動は緊張を和らげ、ストレスを減らし、気分を良くします。また、ほとんどの運動は、家の外にいることにもなり、それで目新しさが加わります。CFSあるいはFMを抱えてどう安全に運動すべきかについては第16章を見てください。

5. 問題解決を使う。問題を解決する行動をとれば、実用的な利益があるだけでなく、その人が元気づけられます。行動して、無力感をコントロール感と達成感に置き換えて、無力感を打ち消します。

6. 休息する。疲労、痛みなど、身体症状に関連しているような抑鬱もあります。症状を軽減するために休息すれば、気分を良くすることもできます。我々のプログラムの一人の女性が、この関係を説明しました。「私はふつう、自分の体が処理できる以上のことをしているときが分かります。なぜなら、私は短気で、怒りっぽくなるのはもちろん、憂鬱になり始めるからです。十分に休息すれば、私はずっとハッピーになります」

7. 考え方を変える。あなたが、起こりうる最悪の事態を考えてしまうならば、心配したり憂鬱になったりしたとき、自分をなだめるように、そして現実的に話せるように訓練できます。例えば、悪い感情の期間は終わる、と自分自身に言い聞かせることができます。うまくいっているということに気づき、成果があったことを喜び、自分の精神的風土を変えてください。

8. 何か楽しいことをする。楽しい活動は症状から気をそらし、気分を良くしてくれます。重要なのは、あなたの注意を引くものを見付けることです。このような活動として、例えば、読書する、音楽を聴く、日向(ひなた)ぼっこをする、散歩する、工芸品を製作する、パズルを解く、映画を見る、友人と一緒に時間を過ごすなどが挙げられます。

9. つながっている。支えてくれる人との交流はとても気が落ち着きます。友人に電話したり、集まって話をしたりするか、あるいは食事をしたり、映画を観たりすれば、孤立感や問題への拘泥、慢性疾患としばしば関係する気分の落ち込みを打ち消すことができます。自分の立場を支持者に説明するだけで、視野を広げることができます。

10. 薬を考慮する。元来あなたの抑鬱が生化学的であるならば、抗鬱薬が役立つ可能性があります。一方で、精神安定剤と麻薬性鎮痛薬を服用すると抑鬱が強まるので、あなたが鬱状態であるならば一部分は薬の副作用が原因である可能性があります。この疑いがあるならば、主治医に、薬を変更するか、あるいは投薬量を減らすことを相談してください。

11. 他の人の役に立つ。疾患にしばしば伴って現れる孤立感と、自身のことで頭がいっぱいになること(自己答申)を打ち消すため、そして自尊心を立ち直らすため、自分自身のことより大きい何かに携わってください。他の人の役に立つためには、支援グループを率いるなど定期的なかかわりが必要になるかもしれません。また、年配の肉親への電話、旧友への連絡、あるいは贈り物の交換などにかかわります。

12. ストレスを管理する。ストレスが多いと感情がより激しくなるので、ストレスをコントロールすれば自分の感情を管理することができます。ストレスを管理するアイデアについては、第18章と Stress Management (ストレス管理)の中の記事を見てください。

宝箱と100時間プログラム:二つの抗鬱戦略

我々のプログラムの一人の女性が二つの独特の抗鬱戦略を作り出しました。彼女はその一つを「賛辞の宝箱」と呼びます。これは、彼女が受けた賛辞の言葉、彼女が訪問したか見たい場所の写真、さらに、大事な、メモ・写真・カードを集めたノートです。気がめいっているとき、彼女はこの宝箱を読み返して次第に元気を取り戻します。

彼女の二番目の戦略は「100時間プログラム」です。これは、特に気持ちが沈んでいるとき、彼女が活動を続けるため、そして目的意識を持つための方法です。彼女は「私が思いつく限り、あらゆる、特別で、楽しい、有意義な活動」で、100時間までの筋書きを決めています。彼女の機能レベルによって、彼女は髪とマッサージの予約を予定するか、あるいは友人らとの昼食を予定するかもしれません。さらに、彼女は、一人でできる50の活動のリストがあります。まだ読んでいない雑誌に目を通すこと、幸せな気分になれるかあるいは面白い映画を観ること、絵本を読むこと、そして支度しやすい食事を作ることなどです。すべて予定に取り入れられ、彼女は1冊のバインダーに保存しています。彼女は通常この100時間の終わりまでに正常に戻ると言います。最も重要な部分は「私は『何をしようか?』と考える必要がありません。私はあらかじめそれをすべてについて綿密に計画を立ててあります」 ということです。

不安と心配

不安と心配はCFSやFMに付きものです。この二つの疾患にかかると、我々はしばしば体の制御と、計画・予測する能力の制御を失います。また、将来への不安も生じます。我々は自分たちの予後をよく理解していない可能性があり、良くなるのか、もしそうならば、どれくらいだろうかと思うかもしれません。また、どこまで落ちるのか、そして被扶養者あるいは生活困窮者になるのではないかと心配するかもしれません。

以下に、不安と心配を打ち消すのにしばしば役立つ八つの戦略があります。その他の情報については、 Edward Hallowell の著書 Worry の中の “Fifty Tips on the Management of Worry Without Using Medication” (「薬を使わず心配をなくす50の方法」)を見てください。

1. ストレス軽減法を実践する。リラクセーションや他のストレス軽減法を習得すれば、情緒反応の激しさを抑え、そうすることで、感情と症状がお互いに増大させるエコー効果を弱めることができます。定期的にストレス軽減法を実践することで、長期間のストレスに起因する慢性的な不安(“background worry”)を緩和することもできます。幾つかのリラクセーション法のやり方は Stress Management を見てください。

2. 問題解決を使う。問題を解決する措置を取ることで、二重の見返りがあります。あなたを悩ませている日常の問題を減らしたり取り除いたりするとともに、措置を取るプロセス(過程)で不安が軽減されます。

3. 考え方を変える。あなたが、起こりうる最悪の事態を考えてしまうならば、自分の考えが不安を増大させるプロセス(過程)をショートさせる措置を取ることができます。解決方法は、不安なときに、「以前もこういうことがあったけれど切り抜けた」「これはそんなにひどくないだろう」というふうに、自分に安心させるように話しかける訓練をすることです。また、事実に不都合な心配をテストし、他の人たちから意見を求めることで、「現実の直視」ができます。非生産的であなたの頭を麻痺させる有害な心配と、あなたが計画を立てるのを助ける良い心配とを区別することを学んでください。考え方を変えることについての詳細は、第31章を見てください。

4. 他の人々とかかわる。自らを上回る何かに加わっていると感じることで、心配を打ち消します。他の人とつきあうことで心配が和らぎ、問題へ没頭することからあなたの注意がそれて、安心がもたらされます。

5. 運動する。心配の最善の治療法の一つは運動です。運動は人をリラックスさせ、心配から注意をそらしてくれます。運動を生活に組み込む方法については、第16章を見てください。

6. 楽しいことを追い求める。読書、音楽、楽しい会話、その他。没頭できる活動は気分転換する助けになります。

7. 一人でくよくよ悩まない。心配を他の人と共有するという行為は、たいていいつも、心配と、心理的な負担を軽減します。議論が解決策を見つける助けになるかるかもしません。心配がさほど脅威と感じなくなります。心配を言葉で表すことは、心配を想像の世界から具体的で、扱いやすいものに変換します。協力してくれる人々や安心感を与えてくれる人々を探し出してください。

8. カウンセリング・薬を考慮する。カウンセリングや心理療法を受けることで心配をより扱いやすくできます。また、薬が抑鬱に役立つのと全く同じように、薬が不安をうまく対処する助けになるという人もいます。薬で不安の問題をすべて解決できるものではありませんが、総合的な対応の一つになることもあります。

パニックに関する要旨

CFSの人々のおよそ10パーセントが、パニック発作と呼ばれる、特に強い不安感を伴うタイプの不安を経験します。パニック発作は、自分が死ぬのではないかという短時間の恐怖感の症状の発現です。症状は、例えば、胸痛、動悸、めまいが挙げられます。強烈な不安感にもかかわらず、生き残ります。しかし、いつか次の発作が起こるのではないかと不安で、恐怖の生活を送る可能性があります。この種の不安感は治療できます。詳細については、この章の終わりにある参考文献リストの Edward Hallowell と Martin Seligman の著書を見てください。

フラストレーションと怒り

フラストレーションと怒りは慢性疾患では無理からぬ反応です。病気になると将来や現状に対する不安、コントロール不能が生じ、フラストレーションを引き起こします。疾患のフラストレーションは、日常活動を計画できないことから、夢見ていた将来を喪失することまでさまざまです。さらに、いらいらすることもCFSと線維筋痛症の症状であると思われます。

フラストレーションは自主管理できます。これまでの章で述べたように、ペーシングやストレス管理のような戦略は、フラストレーションの原因を小さくするのに役立ちます。例えば、ペーシングを使うと、重い症状と寛解期の間の変動が小さくなるので、そして、いらいらする回数が減るので、生活を安定させることができます。また、ストレス軽減法を実践すると、フラストレーションの感じ方が小さくなり、リラックスすることができます。この二つの例のように、別の目的のために使われる戦略でもフラストレーションを減らすことができます。

フラストレーションが、助けてくれる人々や頼りにする人々を立ち去らせるような形で表現されるならば、フラストレーションは破壊的な感情になります。積極的な対応方法の一つは、自分を悩ませていることの解決法の発見に焦点を合わせた状況を作り出すことです。人間関係でいらいらしているならば、問題を議論するために話し合いの場を設けてください。あなたと相手が落ち着いて、気を散らされることなく話せる時間を選んでください。話し合いの前に、相手が状況を改善するために何ができたか考えてみてください。そして、相手と会うとき、何が自分をいらいらさせているか説明してください。疾患のせいで、関係者全員にいらいらすることに気づいたと述べることによって、相手側の怒りを和らげることができるかもしれません。

以下に、病気のせいで生じたフラストレーションに対処するため、我々のプログラムの人々がよく使う他の六つの戦略があります。これらの戦略は、怒りを認めて表現するための無害な方法を見付けるという目標に焦点を合わせます。

1. 支持を得る。フラストレーションの対象でない誰かとフラストレーションについて話し合って怒りを表せば、この感情を発散できます。一人の学生が言いました。「私は支持グループに加わって以来、病気になったことに対するフラストレーションと激怒がかなり和らぎました。私は、怒りをぶちまけて、受け入れられ、そして理解される場所を見付けられて幸運だと思います」

2. 書く。経験を言葉にすることが役立つこともあります。心理学者の Jmaes Pennebaker は、忘れられない出来事について書くときに事実に基づく記述と情緒反応を組み合わせる人々は健康上の問題が少ない、ということを発見しました。(彼の本 Opening Up 「心のライティング」、そして “Writing is Good Medicine” [「書いて健康になる」]を見てください)。感情的に強力な経験を言葉に直すと、問題への理解が深まります。関連した戦略は、自分が頭にきた人に手紙を書いて、それを送らずにびりびりに破きます。

3. 新たな視点から物事を見る。あなたが持つ怒りの量は、あなたの考えと、あなたの置かれた状況をどう見るかによって違ってくるかもしれません。例えば、レストランで、あなたは30分遅れている友人を待っていると想像してください。あなたはいらいらします。友人が到着して、彼女は事故に遭って遅れたと伝えます。すると突然、あなたの感情は怒りから心配に変わります。新たな方法で物事を見る効果について、一人の学生が言いました。「私は、別の方法で物事を考えることを学びました。自分の考えを操ることで、激しい怒りが消え、とても素晴らしい気分になります。今では、この新たな考え方がほとんど無意識に出てくる段階にまで到達しました」

4. 応答を決めておく。「この新しい治療を試せば、あなたはきっと体調が良くなるでしょう」というようなコメントにいらいらするならば、そのようなコメントに煩わされないように、あなたは前もって応答を用意しておけばよいのです。この場合、「あなたの提案には感謝しますが、私は主治医の治療を受けていて、私は主治医の治療計画に従っています」あるいは「心に留めておきます」のように言います。

5. 感情を受け入れて、認める。一部の人々は、感情の名前を言って、怒りやその他の感情の力を徐々に消し去ることができると言います。これを行うための訓練は、感情を客観視します。一人の学生が言いました。「私に効果があるようなのは、そのときの自分の感情について考えることです。怒っているならば、『ああ、これは怒りだな』と言います。次に、『私はこの怒りを受け入れる』と言います。そして、その怒りを詳しく説明します。強い怒りか? くすぶっている怒りか? それとも小さい怒りか? そして『体』でどのように感じるかに注意します」

6. 専門家の助けを得る。カウンセラーと時々話せば、長期にわたる疾患が作り出したプレッシャーを和らげることができます。フラストレーションと怒りが人間関係をよりストレスの多いものにしているならば、専門家の助けを得ることを検討してください。慢性疾患を持つ人々を専門にするセラピストを探してください。

罪悪感

CFSとFMの人々によく見られるもう一つの感情は罪悪感です。時々、人々は自分のせいで病気になったと責めます。またあるときには、家族あるいは社会に貢献していないという意識によって罪悪感が生じます。あなたに罪悪感があるならば、罪悪感が課す負担を軽減するために何ができますか? 以下に、考慮すべき七つの戦略があります。

1. 期待を調整する。罪悪感はしばしば、その人の期待と能力の差によって引き起こされます。自分の期待を新たな機能レベルに合わせるように下方調整すれば、罪悪感を減らすことができます。一人が言いました。「私は自分自身の基準を下げました。私は回復中の完全主義者なので、これは簡単ではありません」。もう一人は「もし、傷ついて苦しんでいる愛する人を世話するとしたら、私はどう世話するだろうか? 私は同じように自分を大切にするべきだ!」と自分に言い聞かせると書きました。

2. 別の言い方で表現する(心の中のつぶやきを変える)。上記の下方調整のプロセス(過程)で不可欠なことは、我々の内面的な対話、すなわち心の中のつぶやきを変えることです。そうすることで、罪悪感を生むのではなく、疾患を抱えてうまく生活する努力を支えます。一人の女性が、昼寝することについて心の中のつぶやきを変えたと言います。以前、彼女は昼寝したとき、それが、自分は怠け者であったからだと自分に言っていました。現在は、「私は自分が健康になることを助けています。私は夫と時間を過ごすため、あるいは孫たちの子守りをするためにエネルギーを節約しているところです」と自分に言っています。同様に、あなたが疲れているとき、「この疲労は私のせいではありません。CFSのせいです。だから、以前していたすべてのことをできなくても罪の意識を感じる必要なんかありません」、あるいは「私はFMになりたくてなったんじゃありません。物事を行えなくても、恥じることなんかありません」と言うことができます。

3. 注意する向きを変える。罪悪感を持つことは避けられませんが、罪悪感が生じるときにどのように対応するかをコントロールできます。一人の女性が、「この感情は生産的だろうか?」と考えてみると言いました。場合によっては、答えは「はい」でしょう。罪悪感は、我々が基準を満たせなかった方法に注意を引きつけ、我々に全然違った態度でふるまう動機を与えてくれることもあります(次の戦略を見てください)。感情が生産的でないならば、我々の注意をほかのところに向けて罪悪感に対応するほうが良いかもしれません。もう一人は「頭の中で行かないほうがいいところもあります、それで私は自分の考えをコントロールすることを覚えました」と書きました。

4. 謝る・償う。罪悪感が役立つこともあります。将来自分を大事にすることと、あなたの周りにいる人たちに思いやりを持って接することの動機となります。一人の女性は、もし何か夫や子供たちを傷つけるようなこと(例えば、言葉で激しく非難する)をすれば、彼女が謝ると言いました。また、そのほかの人たちは、ペーシングに一貫性を持たせる原動力として、約束を帳消しにする罪悪感を活用して自分たちが自信をつけたと言います。

5. 他の人たちを教育する。一部の罪悪感は、他の人たちのあなたへの接し方が原因で引き起こされるかもしれません。自分の期待を自身のために調整することに加えて、他の人たちがあなたに抱く期待もまた変えることに取り組まねばなりません。これは、あなたの生活にかかわる人々を教育することを伴います。CFSとFMが重大な制限を課す長期にわたる慢性疾患であること、病人とその周りの人たちの調整が必要であることを強調します。

6. 自己主張するようになる。罪悪感を軽減するためのもう一つの戦略は自己主張することです。自分が何をするつもりかあるいはしないつもりかを述べて、自分をかばいます。我々のプログラムの一人の女性は「私はしたくても、できないんです」と書いたメモを家の至るところに貼りました。メモを見れば、人々が頼み事をするとき、彼女は何と言うべきか思い出せます。彼女は「メモをしばしばよく見ることで、私は罪悪感を覚えることなく、この回答を使うことを確実に思い出せます」と言います。

7. 人間関係のトリアージを行う。最後の戦略は、人間関係を再評価し、「人間関係のトリアージ」を実行することです。人間関係のトリアージは、自分の生活に誰を含めるべきか明確な決定をし、有益あるいは必要な関係に焦点を合わせ、他の関係を諦めます。

参考文献

Hallowell, Edward. Worry. New York: Ballantine Books, 1997.

Rennebaker, James. Opening Up: The Healing Power of Confinding in Others. New York: Avon Books, 1990.

Seligman, Martin, What You Can Change and What You Can't. New York: Fawcett Columbine, 1993.


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第18章 ストレスをコントロールする  CFS & FMとうまくつきあう方法
目次
 第20章 人間関係を改善する八つの方法

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