慢性疲労症候群(CFS)入門

慢性疲労症候群 & 線維筋痛症とうまくつきあう方法

出典:Managing Chronic Fatigue Syndrome and Fibromyalgia: 2010 edition
on CFIDS & FIBROMYALGIA Self-Help

第21章 家族の問題

慢性疲労症候群と線維筋痛症は家族に衝撃を与えます。ストレスが増え、予測可能性が不安に置き換わり、感情が強まり、生活のあらゆる実用的な側面が様変わりします。家族が直面する問題として以下のものがあります。

家族の適応に関しては以下に説明する四つの問題に焦点を合わせます。(カップルの問題は次の章で検討します)

家事を再分配する

CFSと線維筋痛症にかかると、ふつう、あなたは、買い物、料理、掃除、洗濯、請求書の支払い、育児などの家事を再分配することになります。というのも、CFS あるいは FM の人はこれまでのように同じ方法で家事をこなすことができないからです。選択肢が主に二つあります。再分配あるいは簡略化です。

「再分配」とは、病人がかつてしていた作業の一部あるいはすべてを代わってする人を見付けることです。たぶん最も一般的な解決策は、以前病人がしていた家事の幾つか、あるいは多くを配偶者が引き継ぐことです。他の解決策もあります。同居している子供がいるならば、子供は、自分の部屋をきれいにし、食事の支度を手伝い、自分のものを洗濯するなど、さまざまな方法で家事に力を尽くしてくれるかもしれません。成人した子供が近くに住んでいるならば、子供は実用的な支援も申し出てくれるかもしれません。もう一つの解決策は、お金を払って助けてもらうことです。例えば、時折あるいは定期的に清掃サービスを利用します。

「簡略化」とは、何かをし続けますが、それほど念入りでないか、あるいは完璧でない方法で続けます。例えば、家をそれほど頻繁に掃除しない、あるいは手の込んだ料理を作らないなどです。一部の人々は、住んでいる家を小さくして簡略化します。例えば、一軒家から分譲マンションに引っ越します。

CFSとFMの人々への便宜がしばしば必要とされる一方、病人はペーシングを使って作業の量を増やすことができるかもしれません。例えば、食事の支度の間に休憩して、食事の支度をいくつかの短い時間に分けることで、CFSやFMの人が症状を悪化させることなく夕食を作ることができるようになるかもしれません。作業できる時間の長さは、立ってするのではなく座ってするほうが増えるかもしれません。

また、家事のすべてを一度でするのではなく、1週間かけてすることで、CFSあるいはFMの人がプッシュ・アンド・クラッシュ症候群を引き起こすのを避けることができます。最後に、CFSあるいはFMの人々のほとんどは、1日のうちに良い時間帯と、悪い時間帯があります。その日の良い時間帯に活動することで、より多くのことができ、そして症状の突然の悪化を避けることができます。

財政の調整をする

CFSやFMが家計に及ぼす影響はかなり差があります。一部の家族は家計に全く変化がないか、あるいは少し調整するだけです。これは、病気になった人がそのとき雇用されていなかったか、あるいは引退したかその前後であった場合に起こるかもしれません。また、一部の人々は、早期退職して減額年金を受け取ることができます。

しかしながら、他の家族にとって、疾患は中ぐらいから重大な財政負担を生みます。CFS あるいは FM の人が働くことができないならば、家族収入が半分以下に減るかもしれません。障害保険金の申請に成功すれば、不足分を減らすことができます。(我々のプログラムのおよそ3分の1の人々が傷害保険を受け取ると報告します)

場合によっては、家族で健康な者が、さらに高い給料で、あるいはさらに良い手当で仕事をもらうために転職します。予算を組み立て、出費を減らして財政の規律を確立する家族もあります。また、出費を抑えることと家事を減らすことができる戦略として、もっと小さくて、高価でない家に引っ越す家族もあります。

社会的適応

CFSと線維筋痛症の人々は、病気になる前と比べてエネルギーがずっと少ないので、他の人たちと過ごす時間がしばしば少なくなり、自分とその周りの人たちはどちらも付き合いをなくします。エネルギーの制約、感覚入力(騒音・光・動き)に対する過敏反応などの要因は、つきあう時間の短縮、付き合いのタイプあるいは形式の変更を強いるかもしれません。例えば、家族で映画館に行くのではなく、映画をレンタルするかもしれません。つまり、CFSあるいはFMは、家族と一緒に過ごせる時間を減らし、環境の変化を引き起こし、そして家族に身体的・精神的にそれほど厳しくない活動につきあうことを強いるかもしれません。

期待を「新しい基準」に調整する

上記の多くの実際的な適応の根幹を成すのは心理的な適応です。つまり、長期にわたって生活が変化したことの受け入れです。これは時々、「新しい基準」を見付ける、と呼ばれ、喪失を受け入れることを伴います。家族は、かつて楽しんだ交友関係の幾つかを失います。CFSやFMの人と同様に、家族は思い描いていた自分の将来を失い、すでに計画を立てていたのとは違った形の生活に適応するように仕向けられます。

喪失を受け入れ、新生活に適応するにはふつう数年間から10年間を要します。このプロセス(過程)の終点は受け入れです。それは、生活が変わってしまったことを認め、疾患が課した制限を受け入れ、そして期待を新しい能力に合うように調整するなどの複雑な考え方です。受け入れは諦めではありません。以前と比べて違う種類の生活になるだろうということを認めて、その環境下で可能な限り最も良い生活を送るという約束です。我々のプログラムの人々とその家族は、新しい生活をするために三つの戦略を使ったと報告します。

1. 能力に合わせて目標を調整する。もう実行できないことより、まだ実行できることに焦点を合わせてください。これは、「期待を調整する」あるいは「経験を再構成する」と呼ばることもあります。

2.新たな興味を見いだす。喪失への強力な対処法は、新たな興味を見いだすことと、新たな生きがい・新たな意義を見いだすことです。妻が外出できない1組のカップルは、DVDのコースを利用して音楽の研究を始めました。このプロジェクトは疾患で失ったものに取って代わる共同活動です。

3. 役に立つモデルを見付ける。人々はしばしば、適応に成功した他の患者をいったん見付けたら、すぐにCFSやFMへの適応が早まったと言います。実用的なアイデアと、適応に成功したモデル(手本)の両方を提供してくれる他の家族を探し出せば、同じやり方をすることができます。

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第20章 人間関係を改善する八つの方法  CFS & FMとうまくつきあう方法
目次
 第22章 カップルの問題

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