慢性疲労症候群(CFS)入門

慢性疲労症候群 & 線維筋痛症とうまくつきあう方法

出典:Managing Chronic Fatigue Syndrome and Fibromyalgia: 2010 edition
on CFIDS & FIBROMYALGIA Self-Help

第23章 家族と友人は病人をどう助けることができるか

家族と友人は、CFSあるいはFMの人々をいろいろと助けることができます。例えば、CFSあるいはFMの人がもうできない作業を引き受けたり、病院の診察への移動の足を提供したりする実用的な助けがあります。また、聞き役になったり、安心感を与えたりする感情的な助けもあります。

しかし、おそらく最大の助けは、CFSあるいはFMの人の取り組み――自分の生活を、長期にわたる疾患が課した制限に適応させようとする取り組みを支えることです。CFSあるいはFMの人の日々の生活の送り方は、その人の症状の重症度と、時には疾患の経過にさえ影響を与えます。あなたが、CFSあるいはFMの人の家族あるいは友人であるならば、あなたとその人との協力の仕方はその人に大きな影響を及ぼすでしょう。それは、その人が疾患をコントロールするのをあなたが手伝うか、あるいはその目標の達成をあなたがより難しくするからです。以下の五つの重要な分野で協力してください。

活動の制限とペーシング

おそらく、症状をコントロールするための、唯一の最も重要なライフスタイルの変更は、疾患が課した制限にうまく合うように活動レベルを調整することでしょう。この手法はしばしばペーシングと呼ばれます。制限に適応する人は、プッシュ・アンド・クラッシュの繰り返しを伴う体と闘うのとは対照的に、体の新たな要求を理解して、制限内で生活しようとします。とりわけペーシングは、全体的な活動レベルを下げることになります。この活動レベルの下げ幅は症状の重症度によって変わり、第2章で紹介した「CFS/FM評価尺度」の30、35点で、1日に約3時間の活動が可能です。

CFSあるいはFMの人は、もう以前のように物事をすることができないことを受け入れ、もっと休息に時間を使うとともに、新たなやり方(活動と休息を交互にするなど)で物事を行わなければならないことを認め、制限に適応します。家族と友人は、CFSあるいはFMの人が適応するのを助けることができます。

睡眠を改善する

睡眠不足は、CFSと線維筋痛症の両方で最もよく見られる、厄介な問題の一つです。睡眠障害の治療にはしばしば処方薬を使いますが、ライフスタイルの変更もまた役に立ちます。睡眠は、睡眠環境を整えること、そして毎晩定時に就寝することなどの良い睡眠習慣を持つことで改善できます。

快適な睡眠環境には、良いマットレスの使用、光・騒音・温度のコントロール(騒音はいびきを含みます)などがあります。2人別々の部屋で眠り、騒音の問題を解決するカップルもいます。また、この戦略で、病気の人は睡眠環境の他の要因をさらにコントロールすることができます。

頭にかかったもやと闘う

CFSと線維筋痛症の多くの人々はしばしば「頭にかかったもや」あるいは「線維筋痛のもや」と呼ばれる認知的困難があります。これらの問題には、頭が混乱する、集中力が低下する、どもる、短期記憶が欠落するなどがあります。家族は、CFSやFMの人が認知的問題の程度と影響を減らすのを手伝うことができます。家族は、愛する人が頭にかかったもやをコントロールしようとするのをサポートします。

頭にかかったもやと闘うとき、よく用いられる戦術の一つは、リストやリマインダーを使用することです。CFSとFMの人々はしばしば、冷蔵庫、浴室の鏡、あるいは正面玄関の内側のような場所に、自分自身のためにメモを貼ります。

CFSと線維筋痛症のほとんどの人々は、一度に幾つかの源から生じる感覚入力に戸惑いを感じます。騒音と光が許容できるレベルにあるならば、そして感覚データが一度に一つの源に制限されるならば、彼らはよりはっきりと考えられるでしょう。感覚に負担をかけ過ぎることを制限するもう一つの方法は、整頓された物理的環境をつくることです。不要な物を減らすことは助けになります。関連した戦略は、ルーチン(いつもの手順)を使って予測できる生活を送ることです。例えば、いつも同じ場所にカギを入れる、毎日同じ時刻に食事を取るなどです。

頭にかかったもやの影響を減らす最後の戦略は、1日の時間帯に敏感になることです。CFSとFMのほとんどの人々は、日中に、良い時間帯と、悪い時間帯があります。1日のうちの良い時間帯に、活動を予定すれば、もっとよりたくさんのことができるかもしれません。

ストレスに対する感受性

ストレスは誰にでも課題ですが、CFSとFMの人々にとっては特に難題です。この二つの疾患は新たなストレッサー(ストレス要因)を追加し、また、ストレスをもっと感じやすくします。CFSとFM にかかると、人々は「ストレスサーモスタット」がリセットされます。そのため、一定レベルのストレスの影響は健康な人に対するものより大きくなります。ストレッサーの追加と脆弱(ぜいじゃく)さの増加の組み合わせは二重の難題を作り出します。ストレスがより大きな打撃を与えるのと同時に、ストレスも増加します。

最も良いストレス管理戦略の一つは予防です。ストレスの多い状況を避けて、体のストレス反応を最小限にします。これは、アレルギーがある食物や他の物質を避けることをはじめ、感覚に負担をかけ過ぎることを作り出す状況(例えば、人込みや、やかましい場所)を最小限にすること、そして不安そうな人々あるいは否定的な人々との連絡を制限することなどを含みます。もう一つは、ルーチンを使ったストレス回避戦略です。おなじみの方法で行動し、スケジュールどおりに生活を送ります。

特別な行事

バカンス、祝日のお祝い、あるいは(誰かのために)ディナーに人々を招くような特別な行事は特別な措置が必要です。非ルーチンの行事は日常生活よりエネルギーを必要とし、特別な行事によってぶり返しが容易に引き起こされます。家族と友人は、CFSあるいはFMの人が特別な行事の代価を最小限にする戦略を使うときにサポートし、その人を手伝うことができます。

最も効果的な戦略は、特別な行事の前、最中、あとに、いつもより多くの休息を取ることです。行事の前に臨時休息(いつもより長い休息)を取ってエネルギーを蓄え、行事の最中に臨時休息を取って症状を制限し、そのあとにいかなる臨時休息も惜しまないことです。

患者は自分の役割あるいは関与水準を変更し、特別な行事の代価ををしばしば最小限に抑えます。患者は、祝日のお祝いの食事を作るのをやめて、その代わりに家族にそれぞれ一品ずつ料理を持ってきてほしいと頼むかもしれません。あるいは、行事には行くが、健康だったときとは違ってちょっとしかいない、あるいは症状に基づいて自分の関与水準を変えるかもしれません。例えば、旅行で、追加で休息を取るために幾つかの活動をやめるかもしれません。

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第22章 家族の問題  CFS & FMとうまくつきあう方法
目次
 第24章 支援ネットワークを作る

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