慢性疲労症候群入門

慢性疲労症候群 & 線維筋痛症を管理する方法
出典:Managing Chronic Fatigue Syndrome and Fibromyalgia: 2010 edition
on CFIDS & FIBROMYALGIA Self-Help

第3章 CFSと線維筋痛症の症状

これまでのところCFSも線維筋痛症(FM)も治療法がありませんが、この二つの疾患の症状を軽減するたくさんの方法があります。治療はCFSもFMも治しませんが、治療は症状の影響を弱め、生活の質を向上させることができます。

次の四つの章で、CFSおよび線維筋痛症の最も顕著な症状である、疼痛、疲労、睡眠不足、認知的問題の治療の主な選択肢をそれぞれ説明します。この章では症状管理の全般的な取り組み方を概説します。睡眠から始める次の四つの章で、この四つの主要症状を論じます。睡眠不足の影響は非常に広範囲にわたり、睡眠不足を治療することによって生活の質が向上し、他の症状も軽減するので、我々は睡眠から始めることにします。

しかし四つの症状に焦点を合わせる前に、CFSを持つ人たちやFMを持つ人たちはたいてい数個から多数まで追加の症状を経験すると付け加えておきます。CFSと線維筋痛症でよく見られるほかの症状として以下のものがあります。

また、CFSを持つ人たちやFMを持つ人たちの多くが追加疾患を患っていることは繰り返して口にする価値があるでしょう。あなたの症状の幾つかは、第2章で触れた他の疾患のせいかもしれません。

治療原則

CFSやFMの症状管理は通常、次の四つの原則に従います。

1. 生活の質の向上を重視する。これまでのところCFSも線維筋痛症も治療法がありません。そこで治療の目標は両疾患を治すことではなく、症状を抑えることと、生活の質を向上させることです。医療は通常、睡眠不足、疼痛など最も厄介な症状に対処することに焦点を合わせます。また、ペーシング、運動、ストレス軽減といった自助戦略も気分がよくなることや、もっと思いのままになると感じることに役立ちます。治療はCFSもFMも治しませんが、治療は苦痛と不快を軽くし、いっそうの安定をもたらし、肉体的・精神的苦痛を和らげることができます。治療は機能レベルも増やすかもしれません。

CFSやFMの治療は、症状に対処することだけに限られるわけではありません。この二つの疾患は生活のさまざまな部分に影響し、仕事をする能力、経済状態、人間関係、気分、将来の夢や希望などに影響します。これらを管理することは、ただ症状を治療するだけでなく、それ以上のことを伴います。自己管理計画はストレスや感情に対処すること、支持を得て人間関係を作り直すこと、そして喪失を受け入れることなどを含みます。

2. 多数の戦略を使う。CFSを持つ人たちと線維筋痛症を持つ人たちは数個から多数の症状があるため、またそれぞれの症状は二つ以上の原因があるかもしれないため、治療計画はたいてい多数の戦略を使います。例えば、疼痛の治療の場合、多くは薬や生活習慣を変える戦略(睡眠の改善、ペーシング、運動、リラクセーション療法、温熱療法と寒冷療法など)を使います。認知的問題(「頭にかかったもや」)は通常さまざまなテクニックを使って対処します。一覧表を使用する、ペーシングを使う、一度に一つのことをする、家の中をきちんとしておく、頭の切れるときに知的作業をする、ストレス管理をする、心の声を安心させるなど。

3. 試行する。治療の組み合わせで最も役に立つものを見付けるためにはしばしば試行が必要となります。どちらの疾患にも標準的治療がありません。すなわち、前もって有効であると分かっている薬はありません。このため、症状のコントロールはふつう試行錯誤を重ねることによって達成されます。試行は生活習慣の効果的な調整を見付けるのにも役立ちます。例えば、症状を強めることなく自分の役に立つ運動プログラムを見付けるには、運動プログラムをいろいろ試さなければならないでしょう。うまくいくものを見付けるためにさまざまなやり方を試すこの過程を「自分がCFS 科学者である」「自分がFM科学者である」といいます。

4.生活習慣を変えることを中心に位置づける。あなたの行動とあなたの生活のしかたは症状に大きな影響を与えるので、もしあなたが体の要求に従えば症状を減らすでしょうし、もしそうでなければ症状を強めるでしょう。行動と生活のしかたの影響は非常に大きいため、症状を軽減して生活を取り戻すことに成功するかどうかはおそらく、医師があなたに施す何よりも、あなたがCFSやFMに適応しようとする努力と意志によって決まるでしょう。

CFS/FM医師の Charles Lapp 博士の言葉を借りれば「主治医の役割は重要ではあるが、あなたはCFS/MEに既知の治療法がないことを認識するべきです。主治医ができることには限界があります」。回復のカギは「疾患を受け入れることと、生活習慣を変えて疾患に適応することであり、医療はそれにとうてい及びません」。

CFSおよびFMの主要症状には幾つか共通の原因があります。それは過度の努力、運動不足、ストレス、感情です。これら原因をそれぞれ、ペーシング、運動、リラクセーション、感情コントロールの戦略で解消することは、それぞれの戦略が二つ以上の症状に影響を与えるので波及効果があります。

更新日:2018年2月11日

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