慢性疲労症候群(CFS)入門

慢性疲労症候群 & 線維筋痛症とうまくつきあう方法

出典:Managing Chronic Fatigue Syndrome and Fibromyalgia: 2010 edition
on CFIDS & FIBROMYALGIA Self-Help

序文

たぶん、あなたは聖杯の話を覚えているでしょう。聖杯を発見して、それで飲んだ人が健康を回復する奇跡の力があるとされています。伝説では、アーサー王がこの神の遺物を求めて、これを探し出すために信頼できる騎士たちを送ったと伝えられています。

私は時折この聖杯について講義します。神話が、日々の医療活動で耳にすることに似ているからです。奇跡の万能薬を見付ける任務を負った患者によく似ています。これは特に、CFSあるいはFMの人たちについて言えます。理解のない医師に自尊心を傷つけられ、CFS と FM を「精神障害」に追いやる医療制度によって拒絶され、そして多くの人たちが、助けてもらえる誰かと何かを探しに「巡礼」を始めます。円卓の騎士のように、この人たちは危険な旅をして、途中で闘いをして、いくつもの試練を乗り越えます。しかし、大部分の人たちは疲れ切って、失意のうちに終わります。

ところが、ある種の万能薬を見付ける人たちがいます。ガラハッドのように、この人たちは目標に到達することは旅そのものより重要でないと気づきます。この人たちは、すべての医師に診てもらって、すべての薬を試みて、そしてすべての代替医療を探してから、CFSとFM の最も効果的な治療は内面から生まれることに気づきます。そして、これらの疾患にうまく対処できるようになります。薬はひどい症状を一時的に和らげてくれますが、この勇敢なヒーローたちは、CFSとFMが、新たな意義と自尊心につながる適応とライフスタイルの変更で最もうまくコントロールされることを知りました。

最初にブルース・キャンベルの本を見付けたとき、私は自分が聖杯に近かったことを知りました。何年もの間、CFSやFMの治療を目指して努力してきましたが、私は医学的に症状を治療して、患者の健康を最善に保つことができただけであったと気づきました。患者は新しいライフスタイルに適応できると、時間とともに自然に回復しました。この適応を概説したのがキャンベルの本でした。今では、私はほとんどすべての患者に、この本を読んで、キャンベルのアドバイスに従うよう勧めています。キャンベルは自分自身でこの疾患の暗い荒れ地を横断してきました。そして身をもって、この疾患の目に見えないドラゴンの殺し方を教えてくれます。

CFSあるいはFMから回復するための既知の予後因子は全くありませんが、長年の経験から、私は次の二つのことを言うことができます。第一に、予後が思わしくない人たちはほとんどの場合、抑鬱と、精神的な支えがないことに打ちのめされています。第二に、予後が極めて良い人たちは皆、積極的な態度と、適応しようとする自発性を持っています。この人たちは自身の生活をコントロールして、疾患の過程から新たな意義と自尊心を身につけます。1959年に Victor Frankl が著書 Man's Search for Meaning (『夜と霧』)の中で書いたように、我々はどんな人生が与えられるかを決めることはできませんが、どのように人生を歩むべきかは決めることができます。

CFSとFMのほとんどの専門家は、CFSとFMを予想どおり改善に導く、四つのステップがあるという点で意見が一致しています。それは以下の通りです。

  1. 症状管理。疼痛や睡眠障害など、疾患を悪化させて永続させる症状を治療する。
  2. ペーシング。休憩時間を確保して、日常活動に適切な制限を設ける。
  3. カウンセリング。憂鬱な気分、不安、情動ストレスに対処する。そして、有効な対処技能を習得する。
  4. 活動。定期的に、軽い有酸素運動をする。

この本は、レッスンごとに分けられた実践的な自助ガイドです。例えば、1週間に一つの章を読んで、それを理解し、定期的に実行することができます。そして、CFSとFMに適応する過程を、一歩一歩説明してくれます。

主治医は症状管理とカウンセリングを手伝うことができます。この本はその残りの部分を分かりやすく説明しています。そして、この本はCFS/MEとFMの人たちに希望を与えます。これら疾患には既知の治療法がありません。しかし、この本を読めば、生活の質を向上させる多くの手段があることがはっきりと分かります。

Charles W. Lapp, M.D.
Director, Hunter-Hopkins Center
Assistant Consulting Professor, Duke University Medical Center
May 1, 2010
Charlotte, North Carolina

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