慢性疲労症候群(CFS)入門

慢性疲労症候群とは

 慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndrome:CFS)とは、これまで健康に生活していた人が風邪などに罹患したことがきっかけとなり、ある日突然原因不明の激しい全身倦怠感に襲われ、それ以降疲労感とともに微熱、頭痛、脱力感や、思考力の障害、抑うつなどの精神神経症状などが長期にわたって続くため、健全な社会生活が送れなくなるという病気である。[1]

 病因は不明で、治療はすべて対症療法となる。多くの治療法の中で、段階的運動と認知行動療法がもっとも有効である。三環系抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、非ステロイド抗炎症薬が、一部の患者の疼痛緩和および睡眠障害で役立つ。

 1984年、米国ネバダ州・インクラインという人口約2万人の村で、原因不明の疲労患者の集団発生が報告された。その数は200人にもおよび、村の人口の約1%にも達するものであった。米科学雑誌『サイエンス』が取り上げたこともあって、米国疾病対策予防センター(CDC)が調査に乗り出した。その結果、病因としてまず疑われたEBVをはじめとして特定のウイルスを確定できなかったので、慢性疲労という臨床症状をそのまま病名とすることが現時点では適当であるとされ、これがCFSという名称の起源となった。

 英国では、筋痛性脳脊髄炎(Myalgic Encephalomyelitis:ME)という名称で呼ばれることが多く、また慢性疲労免疫機能障害症候群(Chronic Fatigue and Immune Dysfunction Syndrome:CFIDS)、ウイルス感染後疲労症候群(Post Viral Fatigue Syndrome:PVFS)という名称でも呼ばれる。

 CFSの予後は安定せず、たいてい3~5年で時間とともに機能の改善がみられ、症状の変動やぶり返しが時々ある。その一方でかなりの割合の患者が、長い間衰弱した状態である。

 CFS/MEは世界保健機関・国際疾病分類で公認されています。


参考文献
[1] 木谷照夫,倉恒弘彦:慢性疲労症候群. 日内会誌 81:573-582, 1992.
[2] 橋本信也:慢性疲労症候群の歴史. 日本臨床 65:975-981, 2007
[3] Beilby,J et al.Myalgic encephalopathy(ME) and chronic fatigue syndrome(CFS):management guidelines for general practitioners,2004.ISBN:0-7308-9334-0.



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